「確かにお預かりいたします」と、毎年、入学時に皆さんをお預かりします。
この「預かる」ということを考えるとき、聖書にはこのようなお話があります。
主人がしもべに、それぞれ1タレント(※)2タレント、5タレントを預け、旅に出ました。
2タレント、5タレント預かった者は、もう2タレント、5タレントを儲け、帰って、主人に「良いしもべ」と誉められました。
他方、1タレント預かった者は、1タレントを土に埋めておき、1タレントのまま返し、「悪いしもべ」と叱られました。
「預かる」ということは、そのまま返すということではなく、さらに大きく、豊かにして返すことなのです。
神が人に対する愛は無償の愛で、皆さんをお預かりする信愛の教員も、同様に「生徒のため」という一言で、自分の持てる時間、知識、そして、苦労して得た良きものも惜しみなく差し出します。
私どもは、お預かりした皆さんを、一まわりも二まわりも大きく成長させて、お返ししたいと願っております。
※タレント:古代ギリシャ・ローマの貨幣の単位。英語のtalent(才能)の語源でもある。